過去ログ - ハルヒ「キョンが女の子だったら良かったのに……」キョン「……は?」
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22:名無しNIPPER[sage]
2017/02/27(月) 00:08:22.76 ID:HHOZvDS20
……不味い。
これはすこぶる不味い状況だ。

????「……」

目の前には1人の青年。

背丈は男の時の俺よりは小柄だが、女になってしまった今の俺よりは頭一つ分高い。

さらりとしたストレートヘヤーは如何にも触り心地が良さそうで、もみあげがふわっと長めにカットされている分、輪郭のシャープさを引き立たせている。

端正な顔立ちではあるが、決して派手な印象はない。

むしろ地味で目立たない部類のそんな彼だが、感情を感じさせないその両の目は、ひんやりと冷気すら感じさせるほど冷え切っている。

その上、真一文字に結んだ口元も相まって、何を考えているのか全く読めない。

せめて何か喋ってくれよ……

ミステリアス、とでも言えば聞こえは良いが、なにせここは女子トイレの中である。

女の俺の目からは……いや、誰の目から見ても、彼は変質者にしか映らないだろう。

つまり、これはあれか。

俺は……これからその、酷い目に……?

ッ!?

いやいやいやいや!
冗談じゃない!!

キョン子「ッ……ま、待ってくれ!!は、話し合おう!!」

慌てて待ったをかける俺に青年は首を傾げて、静かに口を開いた。

????「……話し合っている余裕は、ない」

問答無用かよ!?

キョン子「待てって!!いいか?よく見ろ!!こんな真っ平らな胸の、色気なんざ欠けらもない俺を襲ったところで一体何になるってんだ!?しかも今日は毛糸のパンツだぞ!?わかってんのかこの野郎!!」

少しばかり口が滑ったような気もするが、今の俺にできることはこうして怒鳴り散らすことぐらいしかない。

今朝の谷口の一件からしてみても、女の俺が腕力でこの男に勝つことは出来ないだろう。

なんだこれ……
身体が震えてきやがった。

怖い。

俺は初めて、『男』という存在に恐怖した。

しかし、無情にもそんな俺の怒鳴り声にも全く意に介した様子のない青年は、相変わらず感情を感じさせない冷たい瞳でこちらを射抜き……

????「……私は、貴女を襲うつもりはない」

長い沈黙の末に、ぽつりとそう呟いた。


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