過去ログ - 【特撮?】偽男「悪の組織から逃げ出したぜ。」【安価】
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963:名無しNIPPER
2017/04/18(火) 08:32:02.98 ID:cyBAC0ql0

 けれど、愛華も自分と同じ考えだと分かると、飛び上がって手を広げ、愛華に抱きついていた。愛華は、やめてくださいと言いつつ雛瀬を剥がすと、

「それは分かりません」

とだけ。それは悲しさなのか、憎しみなのか、無感情なのか。雛瀬には分からない。

 だが、そのまま歩みを止めない愛華を、雛瀬は追うことが出来なくなっていた。その時見た愛華の表情があまりに読みとれず、困惑したからではない。先程一瞬横目で見ただけのスマホを、今は凝視し、何度も読み返しているからだ。

 彼女の持つスマホには、


【原文】
 それは分かりません。
【訳文】
 犯人は私。


と映し出されていて。

 これは、雛瀬が愛華に対してアプリを……翻訳アプリを使った結果であり。

「お、おいおいおい……!」

 愛華の姿が見えなくなると、人目もはばからず、雛瀬は声を上げていた。

 愛華のことは、明乃からよく聞いていた。美人で何でも出来て、胸が小さいことだけがコンプレックス。たまにきついことを言うけれど、私のことを一番に考えてくれるお姉ちゃん。
 一人っ子である雛瀬には姉妹の間柄というのは分からなかったが、明乃の様子から、“良いお姉さんなのだ”と思っていた。だから今翻訳アプリを使ったのも、一応、程度のものだったのに。

 この翻訳アプリ。雛瀬もまた、気付いたらスマホにインストールされていたもの。

 これを使うには条件があり、@相手の発言を電話などではなく直接聞かねばならない、A1人に対して1日1度しか使えない、というものだ。
 さらに言えば、このアプリは決して、“相手の心を読める”わけではない。あくまで“相手の発言を真実に翻訳する”だけ。要は、相手が発言しないと意味がないのだ。


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