過去ログ - 鷺沢文香「あなたの知らない物語」
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3: ◆U.8lOt6xMsuG[sage saga]
2017/03/02(木) 22:56:09.83 ID:6BM25xCl0

ドラマの撮影が無事に終わったから。

だからこの栞はプレゼント、だと。

P「本当はもっと良いものにしたかったんだけど…いろいろ都合が重なっちゃってね」

文香「いえ…とても、嬉しいです」

「あなたから貰ったものなら、私はどんなものでも。」…と言いかけて、口をつぐみます。

P「それじゃあ、俺はここで。文香さんも疲れがたまってるだろうし、早めにね」

文香「はい、お疲れ様でした」

プロデューサーさんと別れ、一人になった後、急に心臓がバクバクと拍動しました。

先ほど言おうとした言葉。言わずにした言葉。

それは頭の中をぐるぐると駆け、私の顔に熱を帯びさせます。

文香「…」

手元にある栞を見つめ、言葉を落ち着かせます。

あの言葉は、紛れもない本心です。

この栞だって、心の底からいただけて嬉しいと、嘘偽り無く言えます。

ですがまだ、それを声に出してプロデューサーさんに伝える勇気は私にはありません。

文香「…」

栞の花は、美しく。

ただ美しく、咲いています。




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