過去ログ - 双葉杏「特別だけど、特別じゃない日」
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◆Xz5sQ/W/66
[saga]
2017/03/03(金) 00:21:50.08 ID:ca4PDaJt0
そうしてそのまま体を起こすと、あの鳥の奴の様子を確かめるためにベランダの扉の前まで移動する。
チラリと覗くと、奴はまだ室外機の影に居た。
最初に気づいたのがお昼だったから、かれこれ三時間以上は雨風に晒されていたことになる。
本当ならこのまま放っておいても良かったけど、あんな夢を見た後だ……。
なぜだか私はあの鳥を、家に上げてやらなくちゃならない気がしてた。
鳥の奴の仮宿にするために、通販商品が入っていた手ごろな段ボール箱を用意する。
中にはタオルを敷き詰めて、寝床の準備も万端だ。
私はベランダの扉に手を掛ける。外は雨、台風通過の真っ最中。
鳥の奴が私に気づき、その不愛想な顔をこっちに向けた。
「よしっ」
小さく気合を入れると、私は扉をガラガラっと開けた。途端に、室内に雪崩れ込んで来る雨と風。
びゅうびゅうと凄い勢いのソレは、小さな私の体を容赦なく打ち、気を抜くとそのまま倒されそうになるほどに強い。
なんとか踏ん張りを利かせてベランダへ。鳥の奴が私を見上げる。私が奴に一歩近づく。
雨が容赦なく体を濡らし、着ていたシャツが肌に張り付く。一歩、もう一歩。鳥の奴も自分から私に近づいた。
目と目が合い、意志の疎通ができた気がした。私はそっと手を伸ばし、その体を抱き上げようとする――。
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