過去ログ - 双葉杏「特別だけど、特別じゃない日」
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◆Xz5sQ/W/66
[saga]
2017/03/03(金) 00:29:42.40 ID:ca4PDaJt0
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お風呂から出た私はサッパリしていた。
苛立っていた気分の方も、幾分か晴れやかになった気がしないでもない。流石はお風呂、命の洗濯。
新しいパンツに足を通すと、首にタオルを引っ掛けた状態で台所へ。
一人暮らしだとこういう時に人目を気にしなくっていいから楽だ。
私は冷蔵庫から取り出した牛乳を飲みながら、スマホの画面を確認する。
「ぶふぅっ!?」
思わず噴き出した牛乳が白い霧となって宙を舞う。『着信 一件』の画面表示、相手は件の阿呆だった。
どうやら私が風呂に入っている間、僅か数分前に掛けて来たらしい。なんて間の悪い奴。
私は動揺でスマホを取り落としそうになりながら、すぐさま連絡を取るためにかけ直す。
コールが一回、コールが二回……出ない。うんともすんとも。
それから三十分の間、私は数回に分けて連絡を取ろうと試みたけど、結局奴が掴まることは無く。
「……せめてメールの一つも寄越せっての」
テーブルに頬っぺたを乗せながら愚痴っても、もちろん誰も聞いてない。現在時刻は午後五時半。
今日という日の三分の二が、既に過ぎ去っていることに驚愕する。
そして同時に、私はそろそろ夕食の支度もしなくちゃならない。
……おかしいな、さっきお昼を食べたばかりのハズなのに。
意識してない時の時間ってやつは、流れていくのがやけに早い。例えそれが楽しい時間じゃなくてもだ。
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