過去ログ - ヴィーネ「ガヴリールの大切なものって…何?」
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8:名無しNIPPER[sage]
2017/03/04(土) 14:04:10.98 ID:a/GtNtoE0
私たちは宿題を始めた。ガヴができるところは自分でやらせて、わからない場所は私が教える。いつもの風景。
ガヴは普段勉強をしないだけで、決して賢くないわけではない。彼女が本気を出せば私の学力なんて簡単に飛び越えていくだろう。


ガヴリール「ヴィーネ、ここわからん」


ヴィーネ「えっと、ここはね…」


エアコンが冷たい空気を運ぶ音と、ペンが文字を連ねていく音、教科書のページがめくられる音、遠くから聴こえる蝉の音、時々交わされる会話。
不規則ながらも規則的に存在するかのような音たちに感化されたのか、思わぬ言葉が漏れてしまう。


ヴィーネ「ガヴリールはさ…」


ヴィーネ「…大切なものって、ある?」


ガヴリール「…は?なに、急に」


しまった、口に出してしまった。という焦りが私を支配していく。
ここで止まってしまうともう先がないような気がして、焦りに飲み込まれそうな言葉を押し出すような形で声にする。


ヴィーネ「ガヴリールは…何を大事にして過ごしてるのかなって……!」


ガヴリール「……」


ガヴは少しだけ目を細めた。問いを切り出した時の怪訝そうな顔はもうなくなっていた。


ガヴリール「…ネトゲかな」


ヴィーネ「…ですよねー」


ガヴリール「こっちの娯楽はスゲーよな。あっという間に駄天しちまった」


ガヴリール「天使学校を首席で卒業した私をここまでダメにしたんだ。人間恐るべしだよまったく」


ヴィーネ「…そうね。あんなに天使だったガヴをここまで落とし込んだし、私も同じことを思うわ」


「……」


会話が終わると示し合わせたように、それぞれが自分の課題へと向かっていた。
私は想像通りの答えに、問いを続ける意思が折れてしまった。
全身の力が抜けて、気怠くて、思考に蓋をされたかのような酷い感覚。怒りでもなく、悲しみでもない、この感情はなんなのだろう。


私はガヴの答えに何を期待したんだろう。何が大切であって欲しかったのだろう。



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