過去ログ - 【モバマス】美嘉「もう一つの物語」
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16: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/05(日) 20:00:25.44 ID:QFvfrLAg0
「…ふ…ざけんなよ!!」
「…」
「事務所全体だ?!なんでそんなことお前に決められなきゃいけないんだよ!」
激昂する俺に対して、それでも表情は、ピクリとも変わらない。
「申し訳ございません」
「そんなこと聞いてんじゃねえんだよ!美嘉も、俺も!関係ねえだろ!!」
「城ヶ崎さんには」
俺の怒号をかき消すかのように、静かに口を開く。
「プロジェクト立ち上げ時から多大なご協力をいただきました。
城ヶ崎さんの存在がなければ、今の彼女たちは居ないかもしれません。
だからこそ、この企画の成功に向けて城ヶ崎さんにも是非、ご協力をお願いしたいと、
そのためには、一度お話をしなければならないと判断し、本日の訪問に至りました」
「……れ」
「…なんでしょうか?」
「帰れよ!!」
…それでも、まっすぐ俺を見る表情は何も変わらなかった。
「…はい。一度、目だけでも通していただけると幸いです。いつでも説明にあがります」
つとめて冷静な声とともに、きびすを返して去っていく、
まさにその靴のかかとは…驚くほどすり減っていた。
「お時間、ありがとうございました」
入ってきたときと同じように扉が静かに音も無く閉じられた。
「…くそっ!!」
情けない情けない情けない情けない情けない情けない…情けない!
一人、叫びだしたくなる衝動を抑えて、俺は机に突っ伏した。
その机の端には、あいつの残した企画案が声も無く、置かれていた。
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