過去ログ - 【モバマス】美嘉「もう一つの物語」
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3: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/05(日) 18:37:46.68 ID:QFvfrLAg0
「…何もないじゃん!
莉嘉のとこのプロデューサー、必死になって走り回ってるんだよ!」
その言葉で、これまでたじろぐだけだった彼の表情がスっと変わる。
『…それこそ…関係ないだろ、なんであいつが今出てくるんだよ』
「同じプロデューサーだから言ってんじゃん!
なんでプロデューサーは何もしてくれないのかって聞いてるのに」
『同じじゃないだろ…!』
「…え?」
『同じじゃないだろって!何でもかんでも他人と比べるなよ!』
青年が初めて声を荒げて少女に反論する。
『そんなにあいつが良いなら部署変われよ!』
はっとしたように顔を上げた少女の目には大粒の涙が浮かんでいた。
「…分かった。もう何も言わない」
『おい…美嘉』
「わがまま言ってごめんなさい」
『おいって…』
「プロデューサーの言うとおりだね。周りに迷惑をかけちゃう…
…アタシがこんなんじゃ、いつまでたっても加蓮と奈緒がデビュー出来ない」
『いや…それは』
「二人には、他の子には、ちゃんと向き合ってあげてね。プロデューサー」
その名を最後に呼び、少女はそっと電話を切った。
誰も居ない、もう夕日すら落ちようとする暗い会議室で、
少女の静かに涙する声が響いた。
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