過去ログ - 【モバマス】美嘉「もう一つの物語」
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32: ◆4L0B/P2YzYpZ[saga]
2017/03/05(日) 22:46:12.09 ID:QFvfrLAg0
ぶつかってしまった人は、事務所の先輩、高垣楓さんだった。
…コーヒー、かけなくて良かった…

そこで、アタシは社員さん同士がしていた会話を唐突に思い出した。
…楓さんが、常務の仕事を断った、という話を。

その時は話半分、いや、少しも聞いていなかったんだろうけど、
こうして楓さんを見て…奏の言葉で、きっと思い出せた。

「あ、あの!楓さん、ちょっと聞きたいことが…!」
「あら、何かしら。美嘉ちゃんが聞きたいことなんて、危機、大変なことかしら?」
「あ、はは…」
そうだった、この人、そうだったな…あはは。
でも楓さんは…

「思いつめた顔してる…あんまり力になってあげられないと思うけど、私で良ければ」

アタシの顔を覗き込んだ楓さんは、いつも通りの優しい笑顔で、
なんだか泣きそうになってしまう。

「…常務の、常務からのお仕事の話、断ったって聞いて…!」
「あら、美嘉ちゃんまで知っているの?何だか色々尾ひれが付いていそうで、私、怖いわ」
「…アタシ、あの…今の自分のお仕事、路線変更に…えっと、納得が…いってなくて…」

…情けないくらいしどろもどろに話をするアタシに、楓さんは優しく、ただただ微笑む。



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