過去ログ - 鞠莉「果南が…」千歌「戻ってこない…?」
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34:名無しNIPPER[saga]
2017/03/05(日) 21:56:11.73 ID:oUECwn7k0

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果南に、自分の周りにいったい何が起きているのだろうか。

『果南』は確かに自分たちに見えている。

触ることも、動かすことも、重さを感じることもできる。

呼吸を確かめることも、服を脱がせることも、水を飲ませることもできる。

身体の機能は何も失われていない。

しかし、他の人には見えない。

いや、見えないどころか、まるで果南の「存在そのもの」が消えてしまったかのように、いないことを不自然に思わなくなっている。

果南を思って怖くなると同時に、自分も誰かのことを忘れてしまっているのではないかと、恐ろしい気持ちになった。


花丸「そろそろ、善子ちゃんが来るころかな……」

携帯の画面を確認すると、家に向かうと連絡があったところだった。

善子は自分のことを心配してくれている。

怖いと口にする自分を励まし、できるだけ一緒にいようとしてくれる。

今日も迎えに行くと言いだしたのは善子だった。

いいと言ったのに、家に忘れ物をしたなんて、下手な嘘をついて。

ルビィが無理をしがちな姉の傍らを離れられない今、善子の存在は自分の心の支えだった。



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