13: ◆/BueNLs5lw[saga]
2017/03/07(火) 15:20:51.90 ID:ibuo0eth0
部屋に入ると、一人では広すぎるんじゃないかと突っ込みたくなるくらい簡素だった。
ソファに座り、じわりと噴き出した汗を手のひらで拭って、私は彼の持ってきてくれた紅茶に口づける。
「あ、お菓子もあるからね」
キッチンに向かう彼のお尻は、桃みたいだ。
食べてしまいたい。ぷりぷりしているからしょうがないね。
涎が出てきた。
やばい。
「クッキー、どうぞ」
嬉々として、彼は大皿に大量にクッキーをぶちまける。
こんなには食べれないぞ。
「あ、ありがとう」
「ううん、誰かが部屋に来るのは久しぶりで、僕すっごく嬉しいんだ」
そう語る彼の笑顔が眩しくて目を開けてられない。
紅茶をこぼしそうになりつつ、
「あの、そう言えば名前聞いてなかったけど、日下ミラって言うんだけど、あなたは?」
「僕は、天野ヨシツキ。ヨシツキでいいよ、委員長」
先生の根回しか。
「私も、ミラでいいって」
「でも、女の子を呼び捨てにするのは」
君には言われたくない。
「どうせ、ヨシツキは学校に来ないんでしょう? なら、いいじゃない……あ」
しまった。
失言だった。
「どうしたの? 気にしないでいいよ。本当のことだから……うん、ミラ。珍しい、可愛い名前だね」
「名前負けでしょ?」
「そんなことないよ。ミラは可愛い女の子だよ」
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