15:名無しNIPPER[saga]
2017/03/07(火) 23:22:13.53 ID:2xfEaWy9O
(熱意に負けたってところかしらね……)
あの後しばらく早苗は警察という職務に従事していた。不満はなかったが、満足はしていなかった。慣れてしまいルーチンと化してしまったのか。ただただ警察というものに情熱を抱けなくなったのか。わからないが、そう感じた時、早苗は名刺の番号を押していた。
そこからはトントン拍子だった。もうあのスカウトの時から早苗の心はアイドルというものに傾いていたのだ。最初は不安しかなかった。本当に自分の選択は間違っていなかったのか。年齢も年齢だ。まだ若いという意識はあっても、世間はそう見てくれない可能性の方が高い。
だけど、そんな不安をプロデューサーが全て吹き飛ばしてくれた。デビュー前、それは二人三脚と言っても過言ではないほどいつも一緒に頑張ってくれた。差し入れやメンタルケア、時にはレッスンの指導までしてくれた。
気付けば夢中になって踊って、歌って、笑顔を振りまき、デビューしていた。
早苗はそこで初めて、アイドルを理解し、心の底から歓喜した。
「アイドル、楽しい!!――――」
選択は間違っていたかもしれない。だけど、早苗は決して後悔しない。
デビューライブが終わった時、そう心に誓った。
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