9:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/08(水) 20:45:30.75 ID:PVrO7amsO
「明日、貴方と会えたなら……その時、私はきっといつも通り」
「いつものように挨拶を交わして。いつものように仕事の連絡をして。いつものように、他のアイドル達がするのと変わらない……普通のプロデューサーと普通のアイドルのやり取りを、貴方とするはずです」
「でも……」
「でも、プロデューサーさん」
「私は思っています」
「貴方としたい。……挨拶を交わしながら、貴方に抱き着き貴方に抱き締められたい」
「連絡を告げ合いながら、椅子へ座る貴方の上へ乗っていたい。……一つ言葉を紡ぐ度、一つキスを降らせたい」
「普通のプロデューサー。普通のアイドル。そう振る舞う陰で、貴方と普通から外れたい。……男と女の関係で、貴方と、結ばれたい」
「そう思っています」
「貴方を愛したい。貴方に愛されたい。……貴方への想いに焦がれながら、私は、きっと」
本当の本心。もう何度目になるのかも分からない告白を、また、漏らす。
私をちゃんと受け入れてくれるプロデューサーさんは、きっとこれで分かるはず。
明日顔を合わせた私の目が潤んでいるその訳。頬がうっすら紅に塗られて、手がおずおずプロデューサーさんの身体へ伸びようとしてしまっているその理由。私が、叶う限り傍へいようとするその意味を。
分かってくれる。そして、プロデューサーさんは優しいから。応えてくれることはできなくても、受け止めて……許すことのできる最大限、私のことを許してくれる。
昔『好き』を……異性としてのそれではなくても、私がほしいその言葉を贈ってくれたように。
少し前。移動する車の中で、その手を私の手と重ねてくれたように。
つい最近。他には誰もいない夜の事務所の中、ソファの上で隣へ寄り添い、眠ったふりをしてしなだれ掛かった私を、拒まず受け入れてくれたように。
最大限を。……だんだんと大きくなって、だんだんと私の願いへ近付く最大限を、明日もまた許してくれるはず。
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