過去ログ - 【安価とコンマ】行き当たりばったり幻想郷生活四日目
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963:名無しNIPPER
2017/04/04(火) 06:03:07.70 ID:k4D60RXh0

「ちょうどこっちに来ますわね……」

 この近くなら、親の会社が所有している事務所がある。そこに奏多を匿えば、さしもの犯人も簡単には見付けられないはず……!
 今奏多が犯人から逃げているということは、多少記憶が消えていても、私を見たらこちらに来るはず。ですので、その事務所の入口に立ってさえいれば……。

「ひ、雛子!?」
「奏多、こっちですわ! 詳しい話は後でしますので、今はどうか、中へ」
「あ、ありがとう!」

やはり私に気付いてくれて、共に中へ。

お礼なんて、言われていい立場じゃありませんわ。そもそもは、私が奏多を成長させたいなんて思った傲慢さが招いたものなのですから。


「それで、雛子……」
「奏多、あまり時間がありませんわ。私の話、信じてくださいまし」

 会議室を借り、奏多と2人きり。横長のテーブルを複数組み合わせて、会議が出来るように長方形に設置されていますが、私達はひとつのテーブルに隣り合って座りました。

犯人は奏多を探している。ここならまず見付からないとは思いますが、遅塚さんに対してあんな殺し方をした犯人……何をするか分かったものじゃありませんわ。

それに、タイムリープする可能性も高い。もっとも、奏多が外に出た瞬間にそれをしなかったということは、今すぐそれが起こるとは考えにくいですが。

ならばこの後、犯人が何かをするか。恐らくは、奏多を[ピーーー]か、最低でも何か恐怖を与える……。そうすることで、奏多に記憶の定着をさせ易くする。要するに、記憶が改ざんされないと恐ろしいことになる、という一種のトラウマを植えつけるということです。

「大丈夫だ。雛子のことは信じられるよ」

 奏多はまっすぐとこちらを見ている。だから私も、まっすぐと返します。


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