3:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/10(金) 17:29:59.47 ID:a5TNd00P0
しかしまて。こうして憤っている俺も、拓海のおまんこの具合を知っているわけではないのだ。プロデューサーとアイドルの恋愛など(セックスに恋愛感情など必要ないのかもしれないが)言語道断であると、拓海のおまんこの具合など今まで考えもしなかったことだが、こうして見ると途端に意識してしまう。アイツのことならなんでも知っているつもりであったのに。落胆と言うと大げさであるが、落胆である。
そうこうしていると、玄関のチャイムが鳴った。そして、ノック数回。拓海だ。
ドアを開けてやろうと立ち上がるが、激痛でその場に倒れ、しかし鍵を開けてやらないとどうにもならないので、まるで芋虫のようだな、と思いながら玄関まで這っていった。鍵を回すと、ゆっくりとドアが開き、その隙間から怪訝そうな顔で拓海が覗いているのであった。
「なにやってんだ、プロデューサー」
「知ってるはずだぞ。痛いんだ、尾骶骨とかいうのが。くそっ、さっさと入れよ」
「入れよって……邪魔だ、そこに倒れたまんまだと」
「うるせぇな、待ってろよ、大変なんだ、こうやって這っていくの」
「ったく、しょうがねぇなぁ……ほら、掴まれよ」
そうして拓海は、俺をほとんど抱きかかえるようにしながら運び出し、ベッドに俺を放り投げると、冷蔵庫の中を勝手に漁りだし、なにやら準備し始めた。ザックザックと包丁を振るっている。この鼻に纏わりつく青臭さから察するに、長ネギなんぞを切っていやがる。
「なに作るつもりだよ」
「決まってンだろ。看病っつったら、おかゆだろうが」
「俺は別に風邪引いてるわけじゃないんだぞ」
「分かってるよ」
「熱だってない」
「分かってるっつの。腰だか尻だかが痛ェんだろ?おかゆが出来るまで、黙って待ってろよ」
なにも分かってない。病気じゃないんだから、わざわざ消化に良いものを作らなくたっていいのに。拓海にとって看病とは、おかゆを作って食べさせることなのだろう。エプロンなぞ着だしてまあ、張り切っているご様子である。こうまで張り切られてしまうと、こちらもこれ以上言えなくなる。黙って待つことにした。
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