過去ログ - モバP「拓海おまんこゴリラ」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/10(金) 17:31:07.89 ID:a5TNd00P0

「おい、おいって」

気づけば拓海から声をかけられていた。

「鍋しきは?」

「もう出来たのか」

「まあ、おかゆだしな。それより鍋しきだよ。そっち持っていきてぇんだ」

「悪いけど、そんな上等なものは置いてない。適当な雑誌でも敷いてくれ」

「なんで鍋はあんのに鍋しきはねぇんだよ」

眉を顰めながらも、床に放置してあった週刊誌をローテーブルに敷き、湯気の立ち上るおかゆを運んできた。長ネギと油揚げに卵を混ぜたおかゆであった。
ローテーブル越しに対面する拓海との間に立ち昇る湯気が、まるで白いレースカーテンかのように見えた。薄ぼんやりとしていて、実態もないはずのそれが、なんとなく俺と拓海を隔てているかのように思えて、いまいち、匙に手を伸ばすことができないでいたのだが、拓海はそれをいとも簡単に、一息で吹き散らしてみせると、俺の手元にあった匙を強引に奪い取り、それを鍋に潜らせ、口元まで運んで、ふぅふぅ、と冷ます仕草をしてから、ふんだくった時と同じ強引さで、俺の口へ匙を突っ込んできた。

「ったく、なんでこうまでしてやんなくちゃ……。そんな悪いわけじゃねェんだろ?」

突き刺すような視線とは裏腹に、拓海の頬は薄紅に染まっていた。おかゆは全然冷めておらず、口の
中が火傷しそうであったが、俺はなにも言わずに咀嚼し、飲み込んだ。
また拓海がおかゆを、ふぅふぅ、と冷まして、口元に運んでくる。俺もそれを口に含む。
それは静かに、おかゆを平らげるまで続いた――――。


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