6:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/10(金) 17:31:39.49 ID:a5TNd00P0
―――腹も満ちてそこそこ。拓海がもう帰るというので、では見送りにでもと立とうとしたが、再びの激痛にその場に崩れこんでしまった。
おとなしくしてろよ、バーカ、と拓海は俺にデコピンを食らわせ、玄関へと向かっていく。
今だじんわりとした痛みを感じながら、視線を玄関に向けると、そこには再び、靴を履くために中腰になったために強調された拓海の尻が細かに揺れていた。
俺は痛みに押されるかのように、
「拓海のおまんこはゴリラなのか」
と口に出していた。
すでにドアを半分ほど開けていた拓海は、数秒停止した後、みるみる顔を真っ赤に染め上げ、声を裏っかえしながら、「はぁ!?」と。
まあ、そりゃあそうだろう。
「バカ言ってねェで、さっさと寝ろ!」
「あ、うん」
短く息を吐き、拓海はドアを乱暴に閉めていった。やっちゃったなあ、と思っていると、玄関が再び、ほんの少しだけ開いた。誰の姿も見えなかったが、
「早く治せよ。お前が事務所にいないと、なんか調子狂う」
とだけ聞こえてきた。
そして、閉まっていくドア。階段を駆け下りる音。エンジン音。
俺はゆっくりと身体を起こし、ローテーブルに肘をつきながら、走り去るバイクの音を遠くに、日が暮れるまで玄関を見つめていた。
終
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