過去ログ - ほたる「誰かを不幸にするためには、まず手を繋ぎます」
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1:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:24:15.56 ID:skZVACF00

これは「世界がもし100人の村だったら」という本を読んだときのはなしです。

当時、私はまだ背の低い女の子でした。
だから、この世界には何十億人もの人がいたり、
食べ物がなくって今にも死んでしまう人がいたり、
他人のとは違う神さまを信じる人がいたり、
肌の色が違う人がいたりするということも知らない幼い子供でした。

それでも、ただひとつ。
私は“不幸”については他の誰よりもずっと敏感な子でした。

そんなわけで、私はこの本を読んだとき、こんなことを考えたのです。

「もしもこの世界が100人の村だったら、
そのなかで不幸な人はどれくらいいるんだろう?」



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2:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:25:45.38 ID:skZVACF00

私には、不思議なちからがありました。
それは「誰かと手を繋ぐと、その相手を不幸にできる」というものでした。

私はこれを自分で“不幸が伝染した”と言っていたのですが、
以下略



3:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:28:38.30 ID:skZVACF00

「白菊ほたるに近づくと、死んでしまうらしいよ」
そんな噂が流れ出したのは、たしか、小学五年生のことだったと思います。

きっかけは、クラスで行われたフォークダンスでした。
以下略



4:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:32:33.27 ID:skZVACF00

廊下を歩けば、ひそひそと何かを囁かれ、
教室に居れば、私を見る目が明らかにおかしい人たちが一杯いました。

私は、それも仕方のないことだと半分諦めてはいたのですが、
以下略



5:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:35:11.19 ID:skZVACF00

しかし、中学生にあがって、私を待っていたのは大きな転機でした。

「すいません、少しお時間よろしいですか」

以下略



6:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:37:02.82 ID:skZVACF00

「えっと……あの、わ、私がアイドル……ですか?」

「はい。差支えなければ、お話だけでも」

以下略



7:名無しNIPPER[saga]
2017/03/11(土) 16:38:53.47 ID:skZVACF00

ひとまず話だけでも聞こうと、私たちは近くのベンチに腰を下ろしました。
アイドルがどんな仕事をするのか、一頻り説明してくれた男性は、私の方を向いて瞳を輝かせていました。

「アイドルという仕事がどんなものか、今のあなたにはまだ分からないことばかりかもしれません」
以下略



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