過去ログ - アンリエッタ「サイト卿をしばらくお貸し下さいまし」ルイズ「はああああぁあ!?」
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2:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:15:00.02 ID:pG2FZOCP0
ド・オニエール伯爵領は、辺鄙な田舎に位置する然程広くもない領地である。
名産品と言えばそこそこの品質の葡萄が少々。
かつては葡萄酒の名産地として栄えていたが、今となっては毎年ごく少量の通好みの逸品を市場に流す程度だ。

さて、そんな特筆すべき点もない、しけた伯爵領であるが、知名度だけはずば抜けて高い。
以下略



3:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:18:19.82 ID:pG2FZOCP0
サイトとルイズが世界を救って2年が経つ。

エルフが崇める聖地を吹き飛ばすなどと、やり方としては荒っぽかったが、その甲斐があって、世界の平穏は保たれた。

満身創痍になりながらも帰国した彼らは、ごく短期間で用意を整え、めでたく結婚した。
以下略



4:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:20:05.48 ID:pG2FZOCP0
シエスタ「大変大変大変大変大変です〜!」

サイトが顔を洗い終え、そしてルイズが髪を溶かし終えた頃、ド・オニエール伯爵の居城は、にわかに騒がしくなった。
メイドのシエスタが騒いでる所為だ。

以下略



5:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:22:40.30 ID:pG2FZOCP0
ルイズ「よ、ようこそお越し下さいました!」

サイト「ました!」

メイドが騒いでいた理由を理解したルイズは急いで寝巻き姿のサイトをひん剥き、シエスタの手を借りながら正装に着替えさせると、玄関前の石畳の前に夫婦揃って跪き、豪奢な馬車から淑やかに降り立った主君を迎えた。
以下略



6:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:24:57.49 ID:pG2FZOCP0
ルイズ「それで陛下、火急の要件とは?」

アンリエッタを応接室に通し、シエスタがお茶を淹れる傍ら、近況などを報告し終えたルイズは、満を持して本題について尋ねた。
何せ一国の女王が城へ呼び出すでもなく、わざわざこうして尋ねて来たのだ。
恐らく、何か重大なことに違いない。
以下略



7:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:26:49.13 ID:pG2FZOCP0
ルイズ「はああああぁあ!?」

ルイズの素っ頓狂な断末魔が轟いた。
いや、驚いているのは彼女だけではない。
シエスタも、そして何より指名されたサイト自身が驚いていた。
以下略



8:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:30:15.61 ID:pG2FZOCP0
アンリエッタ「実は、私は現在、大きな問題を抱えておりまして、それを解決するべくサイト卿にご協力願いたいのです」

サイト「大きな問題?」

アンリエッタ「はい。ええと、何からお話しすれば良いでしょうか……」
以下略



9:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:32:21.40 ID:pG2FZOCP0
サイト「おほん。それで陛下、問題とは?」

アンリエッタ「実はですね……」

脱線に脱線を重ねながら、ようやく戻ってきた本題に、耳を傾ける。
以下略



10:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:34:29.47 ID:pG2FZOCP0
アンリエッタの憂いは、サイトやルイズも思うところがあった。
今回は幸運にも世界の破滅は回避出来た。
しかし、再び同じような危機が訪れたら?

世界を救ったのと引き換えに、サイトとルイズは力を失った。
以下略



11:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:35:48.45 ID:pG2FZOCP0
アンリエッタの悲痛な表情をこれ以上見たくなくて、サイトは堪らず声を張り上げた。

サイト「そんなことはない!姫様は……陛下は、この世界に住む人々の為にあんなに一生懸命頑張ったじゃないか!」

その言葉にルイズは大きく頷き、顔を伏せるアンリエッタの肩にそっと手を乗せ、慰めた。
以下略



12:名無しNIPPER[sage]
2017/03/13(月) 00:41:08.09 ID:pG2FZOCP0
アンリエッタ「またそのような大声を出して……はしたないと何度言えばわかるのですか?」

ルイズ「はしたないのはどっちですか!!」

この女王様ってば、ちょっと甘い顔を見せたらどこまでも付け上がってくれちゃって!
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