過去ログ - アンリエッタ「サイト卿をしばらくお貸し下さいまし」ルイズ「はああああぁあ!?」
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 01:37:57.20 ID:pG2FZOCP0
教皇の姿を見るや否や、即座にティファニアは自室に引っ込み、ガウンを羽織って寝巻きを隠した上で、聖下を部屋へとお通しした。
正装に着替えるべきかと迷ったが、こんな夜分にわざわざ訪れるくらいなのだから、急ぎの要件があるのだろうと推察し、結局寝巻きにガウンを纏うだけの中途半端な姿になってしまったのだ。
そんなティファニアにルクシャナは呆れた眼差しを送りつつ、お茶淹れてそれを2人の前に置き、壁際に下がった。
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 01:42:18.09 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「だいたい!私に『大使』なんて大役、務まる筈ないじゃないですか!?聖下もそう思いませんか!?」
『世間話』を始めて小一時間。
すっかりヒートアップしたティファニアは、恐れ多くも教皇に対してくだを巻き、盛大に愚痴を喚き散らしていた。
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 01:45:55.44 ID:pG2FZOCP0
自分の能力に自信が持てないティファニアに対し、教皇はしっかりと根拠を示しながら彼女の長所を褒め称える。
すると、ティファニアは満更でもない気持ちになってくる。
意外と自分はこの仕事に向いてるんじゃないかと思ったりなんかしてみちゃったりして。
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 01:48:39.66 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「ああ、聖下……私の懺悔を聞いて貰えますか?」
マザリーニ「ええ、もちろんですとも」
教皇の慈悲深さに心打たれたティファニアは、とうとう心の内をさらけ出す。
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 01:50:57.39 ID:pG2FZOCP0
暗く閉ざされたティファニアの心に、一筋の光が差す。
それは、救いの光であった。
ティファニア「聖下が、私を救ってくださるのですか?」
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36
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 01:53:25.26 ID:pG2FZOCP0
マザリーニ「私はしばらくこの大使館に滞在するつもりです。エルフの方々と交流を深め、良き隣人として共に歩みを進められるよう、尽力することが教皇の勤めだと考えております」
そしてマザリーニはその滞在の後、
『大使であらせられるティファニア嬢には、滞在期間中、大変良くして貰った』
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名無しNIPPER
[sage]
2017/03/13(月) 01:56:52.24 ID:pG2FZOCP0
ティファニア「いろいろとありがとうございました!聖下のおかげで、自分の気持ちに素直になることが出来ました!それでは、行って来ます!!」
マザリーニからアンリエッタが『英雄の子』を求めていると知らされたティファニアは、すぐさま荷造りを済ませ、挨拶もそこそこに、吹っ切れた表現を浮かべて、ド・オニエール伯爵領へ向けて旅立った。
ガリアに派遣した教皇の使いであるジュリオが首尾良く目的を達成していれば、これでかの『英雄夫妻』が収める辺境の地に、ガリア、トリステイン、両国の女王と、エルフと人間の友好の象徴たる大使の3人が集うことになる。
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38
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名無しNIPPER
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2017/03/13(月) 02:01:52.65 ID:pG2FZOCP0
教皇は語る。
先の聖戦における前教皇の失態により、教会の権威は失墜し、少なからず民衆の信仰心が薄れたこと。
そしてその教会から離れた人々が、『英雄』を信仰し始めたことを。
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39
:
名無しNIPPER
[sage]
2017/03/13(月) 02:03:30.14 ID:pG2FZOCP0
マザリーニが久方ぶりに戻った時、教会の総本山、ロマリア皇国は、はっきりと見てわかるほどに荒廃していた。
いや、腐り切っていた、と言ってもいい。
人々は聖戦の結末に戸惑い、教会の上層部は互いに責任をなすりつけ合う始末。
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40
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名無しNIPPER
[sage]
2017/03/13(月) 02:05:12.12 ID:pG2FZOCP0
数日後。
運命の日を迎えたド・オニエール伯爵領で、固い表情を浮かべたサイトが、アンリエッタとの待ち合わせ場所である地下室に向け、歩みを進めていた。
ルイズ「サイト、あんたわかってるでしょうね?私が言ったルール、破ったら承知しないんだからね!」
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41
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名無しNIPPER
[sage]
2017/03/13(月) 02:07:40.50 ID:pG2FZOCP0
ちょっとでもサイトが本気になったらすぐさま折檻出来るよう、乗馬用鞭もちゃんと用意してあった。
鞭のしなり具合を確認しているルイズに、サイトは青ざめ、冷や汗を垂らす。
果たして、自分は生きてこの修羅場を潜り抜けることが出来るだろうか?
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