過去ログ - 緒方智絵里「私の特別な、あの人からの贈り物」
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名無しNIPPER
[saga]
2017/03/15(水) 06:09:01.49 ID:+h6VBbXq0
「まぁ……色々とあるんですよ」
「何だ何だ。有能なPちゃんが色々とは……もしかして、これか?」
そう言ってから、AはPに向けて小指を立てる。
厳密に言えば違う……が、あながち間違ってはいない推測であった。
的を射た様な答えに、Pはその口を噤んでしまう。
「おうおう、図星か? 図星なんだな。という事は……さては、悩んでいるのはホワイトデーに関してだな」
「えぇ、まぁ……そんな感じです」
これ以上は隠し立ては出来ないだろうと悟ったPは、Aに肯定する様にそう言った。
それから『こうなったらいっその事、この人にでも相談してしまおう』
と、考えたPはAに向けてそれを口にする。
「ホワイトデーに何を返そうか……それが決まらなくて、迷ってるんですよ」
「そんなに迷うものか? そんなの、あれだろ。気持ちさえ籠ってれば、何だっていいんだよ」
「そんなに単純なものですかねぇ……」
そう言ってPはAの言葉を否定する。
そうであれば、ここまでは悩んでいないのだと、言ってやりたい心境にもなる。
しかし、先輩相手に強気にはなれず、それは心の奥底に仕舞っておいた。
「ちなみに……Aさんはホワイトデーのお返しとか、どんなものにしますか?」
「ん? 俺か? 俺はもう買ってあるからな……」
その返答に、Pは心底意外だと思った。
まだ本番当日まで猶予があるというのに、目の前の男はもう既に用意してあるというのだ。
日頃、面倒くさそうにしている割には、こういった事に関しては用意周到なのだろうか。
と、Pは心中でAに覚られない様にそう思うのだった。
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