過去ログ - 緒方智絵里「私の特別な、あの人からの贈り物」
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97:名無しNIPPER[saga]
2017/04/04(火) 07:59:40.31 ID:wTz2u0Hv0
それも何のラベルも無く、飾り気が無く、中身の入っていない小瓶。


いや、中身は入っていたが、それは藍子が既に使ってしまい、無くなっている。


「高い買い物だったけど……そのお陰で、助かっちゃった」


藍子はまじまじと小瓶を見つめた後、それに向けてこう言うのであった。


「ありがとう、夕美さん」


そう言った後、小瓶をビニール袋に包み、更に外側をその辺にあった紙で覆う。


藍子はそれを、ごみ箱の奥深くに、隠す様に捨てた。


その上に昨夜に出た生ごみを包んだものを置き、掘り返さない様にする。


これで、藍子の隠蔽工作は完成した。


ごみ箱を眺めつつ、藍子はニヤリとした笑みを浮かべる。


まるで、自分の企てが上手くいったかの如く、そうした笑みだった。


そうとも知らずに、Hは呑気にシャワーを浴びる。


藍子に対し、罪悪感を感じつつ、また、感謝もしながら。


自分の知らぬ所で、見えない手で首を絞められているのにも関わらず、である。


ホワイトデーは終わったが、彼の苦悩の日々はまだまだ続く。


時に自分で自分の首を絞め、時に藍子に追い詰められて、Hは窮地に立たされていくのであった。






おまけ3 終わり




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