過去ログ - 三船美優「三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい」
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15:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/14(火) 20:28:02.73 ID:Yk9lZ5Aq0
 何も言ってくれないPさんに別れを告げ、このままどこへ行こうかと歩を進めた時です。

「貴女と居ると……」

「え……?」

「月が綺麗ですね」

 月なんて見えないのに、Pさんはそんな事を言ったんです。『月が綺麗ですね』と。

「どう……して……!? どうして今更そんな事を言うんですか……!?」

 ずっと我慢してきた涙が溢れてきます。仕事でもプライベートでもPさんに迷惑をかけたくなくてずっと我慢してきたのに。

「俺は……美優さんとあんな関係になりたくありませんでした。……仕事じゃなくて、ちゃんと貴方を愛したかった」

 私をそっと抱きしめながらそう言うPさんの表情は出会った時のような優しいものでした。

「好きになった人の幸せのためならなんでもする。そう決めた俺はどこか狂っていたんだと思います。だから……あの時の美優さんのワガママを受け入れるしかなかったんです」

 きっと、私が最初のワガママを言ったあの日にPさんは壊れてしまったんでしょう。プロデューサーと言う自分の立場と、Pさん自身の想いの両方で揺れてしまって。

「全部……私のせいだったんですね……」

「貴女は何も悪くないです。決められなかった……俺のせいです」

 自然と私を抱きしめる腕に力が入り、少し痛いくらいです。でも……その痛みさえ今は心地良くて……。

「貴女と居ると月が綺麗ですね」

 Pさんは私を抱きしめながらもう一度言いました。

「死んでもいいわ」

 ……だから私はそう答えたんです。






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