2: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/03/14(火) 22:14:34.69 ID:0gaGGEw9o
戦士「ああああぁっぁぁああああああああ!」
鈍い音がする
最近よく聞く音だ
肉と骨が砕ける音
戦士に飛びかかった魔狼が視界から消える
吹き飛んだ魔狼が俺の脇まで飛んできた
もはや犬の形はない、ただの肉塊だ
戦士の剣は相変わらず無茶苦茶だ
かつて国一番の剣士と呼ばれた剣の冴えは見て取れない
ただただ、その尋常ならざる腕力で剣を振りまわす
旅のはじめ
戦士は細身の剣を使っていた
あんなもので魔物が切れるのかと不安に思っていたが
杞憂だった
剣が魔物の首に触れるか否かの瞬間
一見緩やかに剣は引かれ、魔物の皮が、肉が、骨が裂ける
その所作は、まるで我が子を撫でる母親の手の様であった
それが何時からか、戦士は技と細身の剣を捨てた
彼女の手に握られている新しい剣は、厚く、重い
肉が裂けることはなくなった
代わりに爆ぜるようになった
だが、その一振りで魔狼の数は確実に減っていく
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