46: ◆CItYBDS.l2[saga]
2017/03/19(日) 01:32:29.85 ID:F7eDzwX2o
あの日、彼が死んだあの日
私と僧侶は初めて肌を重ねていた
旅も半ばにきて、強い魔物を相手にすることも増えてきた
僧侶の蘇生魔法は強力ではあるが弱点がないわけではない
単純な話であるが、術者である僧侶が死んでしまっては元も子もないということだ
だからこそ僧侶は死を恐れている
自身は甦ることができないから
いつ死ぬかわからない
その、自覚が私と僧侶の仲を急激に縮めていた
まさに、至らんとする時だった
やつらは、宿屋の主人と数多の男達が寝室になだれ込んできた
私は、反応ができなかった
この点、反省のしようがない
男である限り、反応できるはずがないだろう
ただ、僧侶は冷静だった
僧侶がとっさに防御魔法を私にかけてくれたのと
奴らが私に斧を振り下ろしたのは、ほとんど同時であった
激痛だ
魔法のおかげで傷こそできなかったものの、味わったことのない痛みが走った
そのあとは必死だ
僧侶を守らなければ、ただその使命感だけで
私は、生まれたままの姿で
拳をふるった
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