過去ログ - 伊織「誰もガブリエルを見ていない」
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9:名無しNIPPER[sage]
2017/03/16(木) 21:07:42.42 ID:1J1zI4/10
その体重移動でベッドが傾き、タオルケットの下から丸めたティッシュが一つ、落ちた。
鼻をかんだゴミだろう、と見るでもなしに目をやって、それがただのゴミでないことに気がついた。
床に落ちた拍子に、中から黄色の錠剤が三つ、飛び出してきていたのだ。
市販の風邪薬じゃないか、と思った。
美希を見ると、美希も、美希を見ている私を見ていた。
そして、ゆっくりと、落ちた風邪薬を拾った。
ティッシュに包み直し、それを掴んだおずおずと私に差し出してきた。
確かに言われれば脂っぽくも見える長い髪を、美希は顔に垂れるままにしていた。
その髪の隙間から、美希の灼けるように赤い唇が見えていた。
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