過去ログ - 【ガルパン】マタニティ・ウォー! 最終章
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21:KASA[saga]
2017/03/18(土) 21:34:49.55 ID:GXLR8hmSO
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続■188日目

朝10時/居間

[しほ&恒夫][みほ&エリカ]、テーブルをはさんで対面。みんな正座。重苦しい雰囲気。


全てを正確に告白。

・お姉ちゃんが流産をしてしまった後のエリカさんの異常な心理傾向(求婚行為ふくむ)
・つくばに取り残された自分達が直面していた苛酷な精神環境
・肉体的快楽への逃避
・それにともなう友情→共依存的愛情への変質
・他、この場にいたるまでのお互いの葛藤のすべて


お母さんは黙して目をつむり、眉間にしわを寄せてる。お父さんは、何も言わず平静な表情で、テーブルの上の模様を見てる。エリカさんは私の隣で顔を青くしてうつむいてる。
自分がどんな表情をしているのかは分からない。両親には嘘をつかない、その決意だけを意識する。まな板の上の鯉。



 お母さんが、重たい声で、思案中に漏れた独り言のように、

「まほは、これ知っているのですか」

 続けて淡々と、

「『エリカは学校で元気にやっている、流産からもしっかり立ち直りつつある』と──つい先日も、まほから報告がありました。貴方たちから今きかされたような話は、一言も聞かなかった」

 みほ、ハッとする。お姉ちゃんはエリカさんの様子をちゃんと見守って、お母さんとも密に連絡を取り合っていたんだ。
 姉のその思いやりに愛しさと後ろめたさを感じ、それゆえにみほは、その後の母の言葉にぎょっとさせられた。

「もしも知らなかったのだとしたら、まほは、あの子は……一体エリカの何を見ていたの」

 ぎょっとしたのはエリカさんも同じみたい。エリカさんはそれまで俯いていた顔をあげ、切に訴えた。
 隊長は誰よりも細やかに自分の心配してくれている。だけど自分は、心の中のふあん亭が表にないよう、きつく抑え込んでしまってた。

「もう、私と隊長との間に赤ちゃんはいないんです」

 だからいつまでも隊長に甘えていられない。隊長は西住流を背負って立たねばならない人。いつまでも自分のせいで迷惑をかけていてはいられない、だから元気でいる姿を見せなければ、はやく立ち直らなくちゃ──
 エリカさんがそんな事をまくし立てる。
 みほはエリカさんのそんな一図さをもどかしく思うとともに、だからこそ、エリカさんを愛しく思う。この人を守りたいと思う。
 ……そういう自身の気持ちに意識がむいて──
 ──お母さんの振り上げた拳には、少しも気がつけなかった。その拳がいよいよテーブルにたたきつけられ、部屋に激しい音が鳴り響いてからようやく、私の身体は凍り付いた。
 


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