過去ログ - 【ガルパン】マタニティ・ウォー! 最終章
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94:KASA[saga]
2017/03/23(木) 18:52:55.47 ID:nC3puLwv0
■10日目〜26日目
この間も、あの子には何の変化もなかった。
はじめのうちは、淡い期待もあった。この二週間のうちに──二週間もあるのだから──きっと彼女の目も覚める。
けれど、彼女は今も、静かに眠り続けている。


体が元気になってからは、時々黒森峰の戦車道に見学をしにいった。

小梅さんが、私に会えたことを涙を流して喜んでくれた。

ところで来年の黒森峰では、エリカさんが隊長をやって、お姉ちゃんは副隊長になる。エリカさんにも隊長を経験させなければだめだって、お姉ちゃんが。

エリカ「うぅ……隊長が、私の副隊長だなんて……」

みほ「大丈夫だよ、エリカさんなら。きっと立派な隊長になれる」

まほ『隊長、いつまで油をうってる。指示をくれ』

エリカ「あ、は、はい……っ」

みほ「頑張ってください〜」




大洗のみんなは、私が戻ることをを凄く喜んでくれてる。
大洗への帰還を報告するために会長へ電話。すると会長の声の後ろで、早く帰ってこーい、と、いくうもの懐かしい声が叫んでた。



大洗に向けて船が移動を開始した夜。
エリカさんが私の部屋にきて、思い出したようにまたゴネタ。

「ねぇみほ。もしもあの時、私がちゃんとあんたを引き留めてたら、あんたは黒森峰を止めなかったのよね?」

「え? う、うん」

「じゃあ、今は、どうなのよ」

「え?」

「今、私がもっと必死にあんた引き留めたら……みほは、黒森峰に残ってくれる?」

「……う、うーん……」

 冗談なのかな?とエリカさんの顔いろをうかがうけれど、その眼差しはいたって真剣。
 私は困り果てて、苦し紛れに──

「うーん……じゃあ、エリカさんが、大洗に転校するっていうのは……?」

「はぁ?」

 エリカさんはしばらくぽかぁんとした後──。

「んががあああああっ」

 そのばでしばらく、地団駄を踏み、それから突然──

「……はぁ〜〜〜……」

 圧力タンクのバルブを空けるみたいに、長い長いため息をはいた。どうにもならないと、ようやく分かってくれたのかな。

 そして、ゆっくりゆっくりと私をベッドに押し倒し──私もとくに抵抗はせず──

「……22歳のあれ、本気だからね、忘れないでよ……」

 それだけいって、私の身体を、何度も何度も抱きしめました。

「わかってます。それに私だって、エリカさんと今までみたいに会えなくなるのは、寂しいですよ」

 エリカさんの体を抱いて、……自分のお腹が小さくなったことを、改めて感じる。二人の身体は、ほとんど隙間なく、ぴっとりと、抱きしめあえてしまった。
 今まで私達は、あの子と一緒に、三人でだきあえていたんだ──今更また、そんなことに気が付いた。



「みほ。」

「ん?」

「赤ちゃんが目を覚ましたら──すぐに連絡して。どこに居ようと、何をしていようと、すぐに飛んでいくから。」

「うん、絶対だよ。エリカさん」

「私も早くみてみたい。あんたの赤ちゃん──あの子の笑顔」

「うん……」


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