過去ログ - 速水奏「お節介」 -SS速報VIP

過去ログ - 速水奏「お節介」

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6: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:08:59.37 ID:cDFgnIFz0
　媚びとは、相手に気に入られようとして振舞うことである。

　ファンにも、ファンでない人にも、同じプロダクションの仲間や、おれに対してでさえ、彼女は決して媚びることはなかった。

以下略

7: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:12:19.78 ID:cDFgnIFz0
　彼女のプロデューサーを始めた頃は、彼女がまだ十七であることに度々驚かされた。

　そうは見えないと言うと、決まって彼女からは冷めた目線を貰った。

　しかし、冗談は抜きにしても彼女の精神性は十七歳のそれではないように思えた。

以下略

8: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:13:42.41 ID:cDFgnIFz0
　それから二日が経過した。

　「凛、ちょっといいか」

　給湯スペースでインスタントコーヒーを淹れながら、ソファで奈緒と話していた凛に声をかける。

以下略

9: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:16:47.32 ID:cDFgnIFz0
　「なんだ、おかしいか」

　「いや……別におかしいとかじゃないけど」

　彼女は、困惑の拭い切れない表情をしていた。

以下略

10: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:18:38.20 ID:cDFgnIFz0
　「凛に花を見繕ってもらって、一度見舞いに行こうかと思って」

　「そういうことなら任せて。力になれると思う」

　「ありがとうな、助かる」

以下略

11: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:22:14.12 ID:cDFgnIFz0
　「お見舞いはいつ行くの？」

　「凛の都合が良ければ、明日にでも。店まで取りに行くよ」

　「わかった。用意しておくね」

以下略

12: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:23:54.32 ID:cDFgnIFz0
　次の日の午後、事務所を出る前に、ちひろさんに声をかけた。

　「ちひろさんは、奏のことをどう思います？」

　凛にした質問と同じものだった。

以下略

13: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:26:06.56 ID:cDFgnIFz0
　「それじゃ、後はよろしくお願いします」

　「任せてください！　奏ちゃんのこと、頼みますね」

　力こぶを作るジェスチャーをした彼女がにっこりと微笑んだ。

以下略

14: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:28:03.06 ID:cDFgnIFz0
　途中、花屋に寄る。

　店に入り声をかけると、奥からエプロンを着た凛が現れた。

　「待ってたよ」

以下略

15: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:29:58.07 ID:cDFgnIFz0
　「で、花を買いに来たんだけど」

　「ああ、うん。用意できてるよ。ちょっと待ってて」

　そう言って彼女は店の奥に引っ込んで、それを抱えて帰って来た。

以下略

16: ◆K5gei8GTyk[saga]
2017/03/23(木) 23:32:15.37 ID:cDFgnIFz0
　「そう？」

　「これは、なんていう花なんだ」

　尋ねると、彼女は辞書を読み上げるように慎重に答えた。

以下略

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