104:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:13:05.26 ID:ha7ZcpN9o
目を逸らす。
灰髪の少女はこちらを見ている。
トレーナー同士、目が合ったらポケモンバトル?
あんじゅ(ないない。今日はオフだもの。戦闘用のポケモンは持ってないの)
灰髪の少女は、まだこちらを見ている。
視線で穴を穿つかのように、あんじゅの横顔をピタリと凝視してきている。
まるで悪意を鋭敏に感じ取ったかのように。
それを同じだけの、否、上回るほどの敵意で焼き尽くすように!
傍らの友人、みかん色の髪の少女の肩へと添えた手。
指先には強く力が込められていて、それは灰髪の少女の妄執を物語っているようで…
千歌「ん、曜ちゃん」
曜「………」
千歌「おーい、よーちゃーん。肩ぎゅって掴んだら痛いよー?」
曜「わわ!ごめんね!」
それでようやく、灰髪の…曜ちゃんと呼ばれた少女はこちらへの視線を切った。
あんじゅは終始、無視を決め込み。
“千歌ちゃん”が“曜ちゃん”を引っ張っていくことで、会敵は回避された。
彼女らの去り際、やれやれと背へ目を向けると…
もう一度、“曜ちゃん”はこちらへと視線を向けている。
ゆっくりと口が動き、その形からあんじゅは少女の意思を読む。
あんじゅ(て・を・だ・し・た・ら…“潰す”。ねぇ。あらあら…)
あんじゅ「ツバサ然り、たまぁにいるのよねぇ。ああいう危険人物って」
「怖い怖い」そう呟くと、温くなった紅茶を一息に飲み干した。
君子危うきに近寄らず。
悪に身を置き、暴力と闘争の中で磨かれた感覚は手を出すべきでない相手をはっきりと見抜く。
あんじゅは脳内、千歌をターゲットの一覧から外している。
だが運命は三人を再びの邂逅へ。
鮮血の激突へと導いていく。
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