182:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 03:54:27.52 ID:ha7ZcpN9o
…
オハラタワー・一階。
洗頭、改めアライズ団の乱入により鮮血に染められたパーティー会場は、しばらくの時を経て状況を変化させつつある。
少しずつ、少しずつではあるが、ツバサ、英玲奈、あんじゅの三幹部が姿を消したことで攻撃の波が弱まった。戦況は収束の気配を見せ始めている。
「ゲンガー、破邪顕正!」
「行きなさい、ドンカラス」
ジムリーダーたちは一人、また一人とそれぞれのポケモンを繰り出していて、その場所を起点にアライズ団員やスピアーの勢いが食い止められている。
そしてまた一人。未だ割けない密集の中で、少女は懸命に手を伸ばし…
梨子(指先が…ボールに…触れた!)
トレーナーとしての峰、四天王であると同時にピアノ演奏を嗜む音楽少女でもある梨子、そのしなやかな指先が腰のボールへ、開閉スイッチへと触れる。
瞬間、弾ける白光。
ぶわり、梨子の姿を覆っている数十人の人垣が一斉に宙へと浮き上がった!
彼らは何か魔術めいた、あるいは超能力的な力で持ち上げられたのだろうか?
否、はっきりと否。
息苦しい束縛から解放されて、梨子はすうっと一呼吸。
そんな少女の隣に佇む相棒ポケモンの姿は、宙に浮いた人々が“投げ上げられた”のだと雄弁に物語っている。
筋骨隆々、四本の怪腕。
大胆不敵な面構え、腰に輝く黄金のベルトは勝利の証。
人呼んでかいりきポケモン、その名は!
梨子「蹴散らして、カイリキー♀」
『カァイリキィッッ!!!!!』
寄るコラッタをねじ伏せ叩きつけ、ズバットの群れをはたいて落とし、殺到するスピアーを拳が屋根まで打ち上げる!
まるで暴嵐、カイリキーが鬼神めいて振り回す四腕を恐れてアライズ団員たちはじりじりと後退を余儀なくされる。
彼らが恐れていた事態の一つ、四天王が完全フリーで解き放たれるという脅威が今目の前で繰り広げられているのだ。
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