227:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 04:21:10.58 ID:ha7ZcpN9o
…
豪雨が頬を濡らしている。
曜の頬には血が滲んでいて、片目は流血に塞がっている。
打撲、裂傷。肋骨に、鎖骨が折れているかもしれない。
しかし曜の瞳はその痛みをまるで認識していない。
打ち砕かれた壁、吹き込む烈風と雨。
ただ視界の邪魔をする赤。
曜にとってはそれだけの意味しかない血を雑に拭い、敵対者、優木あんじゅへと恨みを込めた指先を向ける。
曜「……ルカリオ、次は右腕だよ」
あんじゅ「いい加減にしてくれるかしら?この気狂い…!」
あんじゅの左腕は肘から逆に曲がり、へし折れている。
綽々、悠然。そんないつもの表情は若干曇り、痛みに血の気が引いているようにも見える。
あるいは面前、曜の狂気に圧されての戦慄か。
アーマルド、ビビヨン、ビークイン。
三体が倒されていて、手持ちは残り半分。
あんじゅ(底知れない)
そんな恐るべき怪物を目の前に、あんじゅは切り札の一つへと手を掛ける。
それは最速の白。突入前、ツバサを撃ち抜かんと照準を定めていた狙撃部隊を壮絶な速度で仕留めてみせた怪物。
あんじゅ「嬲り殺しよ…!フェローチェ!」
むし・かくとうタイプ。その性能を速度へと特化させ、極限まで細さを追求した歪な、それでいて限りなく美的なフォルム。
英玲奈のテッカグヤと同じ、UB(ウルトラビースト)と分類される異世界からの来訪者だ。
そんな超常の存在を目の前に、曜の瞳は未だ憎悪を絶やさない。
曜「……次はそいつか」
呟き、続く死闘。
978Res/1221.34 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。