370:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:04:46.32 ID:ha7ZcpN9o
…
ブブブ…と羽音。
砂塵を巻き上げつつ低空、トンボめいた姿の緑竜がハチノタウンの軒先をすり抜ける。
371:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:05:54.19 ID:ha7ZcpN9o
ポカリと殴りつけ、「痛いわにこ!」と抗議の声。
そんな二人を呆れ調子で眺める真姫、その肩がちょいちょいと叩かれる。
「ふっふっふ、かわいいお嬢さん。今晩一緒に晩ごはんはいかがですかぁ?」
372:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:06:21.84 ID:ha7ZcpN9o
凛と花陽は家族ぐるみの付き合いだ。
日頃から民宿小泉へは実家その2とばかり気軽に出入りしていて、それが今日は海未の宿の便宜も図らなくてはならない。
となれば、普通の一軒家な星空家よりは小泉家に連れてくるのが妥当。
希は希で絵里たちと同室、元々こちらに宿を取っているのだからなおさらだ。
373:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:07:41.10 ID:ha7ZcpN9o
夕暮れの露天風呂。
まだ宿泊客たちで混み合わないうちにと、穂乃果ら九人は早々に乳白色の湯に肩を並べている。
年頃の女子が大勢集えば、聞こえてくるのはなんとも華やかな会話の数々。
374:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:08:31.54 ID:ha7ZcpN9o
ことり「僧帽筋もすご〜い!格闘選手みたいでかっこいいっ♪」
絵里「システマはある程度使えるように訓練しているから、それでかしら」
海未「私もそれなりに鍛えてはいるのですが、なかなか筋肉が太くなってくれないのです」
375:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:09:07.43 ID:ha7ZcpN9o
…
穂乃果「おおおおおぉぉぉ……!!!」
376:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:10:04.09 ID:ha7ZcpN9o
トレーナー旅というのは概して、食生活が貧相になりがちだ。
街にいるときはポケモンセンター界隈にトレーナー割引の効く安価な食堂が集まっていたりするものだが、旅路の最中は携帯食や小さな商店で買ったカップラーメンだとか、そんなものばかり。
まして穂乃果のパーティはリザードン、リングマ、さらにはガチゴラスと大飯食らいが多く、食費がかさんでかさんで仕方がない。
377:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:10:53.59 ID:ha7ZcpN9o
絵里や希からの申し出で、九人は絵里たちが泊まっている一室に御膳を並べている。
チャンピオン、四天王、ポケモン博士に国際警察。
面子が面子、泊まっている部屋はかなり広いのだ。
風呂上がりのほのぼのとした雰囲気、食事も絶品とくれば自然と会話は弾む。
378:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:11:23.11 ID:ha7ZcpN9o
経歴も立場も九人九色。
質問されて答え、旅路の小話を少々、仕事柄のネタを披露。
そんな繰り返しでエピソードが尽きることはない。
会話をしながらのゆっくりとした食事の時間が流れていく。
379:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:12:15.89 ID:ha7ZcpN9o
花陽曰く、ハチノタウンはアライザーたちの横行により打撃を受けているのだという。
それは治安の悪化だけでない。
産業の少ない田舎町であるハチノタウン、その収入を大きく支えているのは観光だ。
ミカボシ山の紅葉はそれを支える大きな観光資源であり、その山に入れないとなれば必然客足は減ってしまう。
380:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:13:57.37 ID:ha7ZcpN9o
もちろん、この町で暮らしているのは星空家も同じこと。
わいわいと騒ぐ穂乃果たちを楽しげに見つめながら、凛の顔はふっと寂しげな色を宿す。
凛「凛の家も観光に来たお客さん向けのお土産物屋さんをやってるけど、今年は暇なんだよね」
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