401:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 06:26:25.50 ID:ha7ZcpN9o
ダイヤ「ぐ…う…ぁっ…」
骨が、筋が軋んでいる。
デオキシスの腕はダイヤを解体しようと試みるように、徐々に左右へと力を込め始めている。
やろうと思えば一瞬でやれるはず。じわじわと力を強めているのはいたぶろうとしているのか、それともありがちなキャトルミューティレーションのように、地球人の感情を観察しているのか。
絶望的な状況に…ダイヤはそれでも気丈に悲鳴を上げずにいる。
狩猟者たちを睨みつけ、天を仰ぎ、千歌とルビィの無事を祈り…
ダイヤ「ああ、でも。ルビィが成人する姿が見られないのは…まだ、まだルビィと一緒に…果南さんや鞠莉さんと、私は…!」
ルビィの笑顔を思い出して、親友の姿がよぎり、鋼のように固めていたはずのダイヤの心は波立ってしまう。
立場に見合うよう気高く振舞っているが、本質はルビィとそれほど変わらない泣き虫で寂しがり。
こんな場所で、こんな意思があるかも定かでない相手に殺されるだなんて、そんなのは悲しすぎる。
殿軍の役目は果たした。
ジムリーダーとしての力を見せ、一体を退けた。
その上で震える体。
素直な、心からの言葉が涙と共に口から溢れる。それは決して恥ずべきことではない。
ダイヤ「死にたくない…!」
輝き。
強い光が夜の森を薄紅に染め、デオキシスはダイヤを取り落とす。
その光源は一体何か?
わからない。ただ確かなのはボスゴドラの重撃に脆くなった岩盤が砕け、激痛に意識を失ったダイヤが地の底へと落下していく事実。
その後をボスゴドラとメレシーが追って飛び降り、デオキシスたちは顔を見合わせる。
……追わず。
とある要因に攻撃性を高められたデオキシスたちは、山へと立ち入った複数のトレーナーを感知している。
逃げ去った二人組もいる。まず優先すべきはそちらだ。
デオキシスたちは飛び去り…
キャンプ地の残骸だけを残し、森に静寂が戻った。
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