54:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 02:47:36.48 ID:ha7ZcpN9o
ことりの表情に戦慄が走る。
トレーナーを志す人間で、そのポケモンの名を知らない者はいないだろう。
ツバサのボールから現れたのは、青い肌に凶眼、シュモクザメめいた、それでいて竜。
その強さだけを依代に、数々の逸話を打ち立ててきたドラゴンタイプの雄。
最強のポケモンはと聞かれれば伝説級を差し置いて、このポケモンの名を挙げる者も少なくない。
ツバサ「遊びの時間よ、ガブリアス」
ことり「ガブ、っ…!」
一撃。
ことりの目が反応するよりも遥かに早く、ガブリアスはその強靭な爪腕でイーブイを床にねじ伏せていた。
「マッハポケモン」の異名を持つガブリアス。
生体力学に基づいて設計されたかのような流線型の体はひたすらに疾い。
ことりの真隣でイーブイが潰れたような声をあげていて、鮫竜の腕ヒレがことりの首筋を掠めていた。
頸動脈…その一枚上の皮が裂けている。
もし、仮に、あと数センチずれていたら…!
ことり「ひ……っ……」
思わず、引き攣るような声が漏れた。
それは死の擬似体感。
大切なイーブイがやられたというのに、ガブリアスの爪にボロクズのように引っ掛けられてツバサの手元に運ばれていくというのに。
ことりは身を動かすことも、声を発することすらできずにいる…。
ツバサはイーブイを掴み、何かよくわからない小さな機械をイーブイの小さな体へと押し当てている。
ツバサ「6V!売るのはやめね、私の手持ちにするわ」
ことり(何を、言ってるの?今は、ことりは今は何をして…)
ツバサ「このアンプル、見えるかしら?この薬剤の名前は『洗頭』。私たちの組織名と同じね」
ことり(注射器、持ってる…)
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