576:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 08:34:51.24 ID:ha7ZcpN9o
複数の足音。
座る彼女の背後を数人の警官たちが歩いていく。
だが英玲奈は一切動じることなく、背筋を伸ばしたままにその捜索網をやり過ごす。
仮に真正面から相対すれば、きっと会釈をしてみせたほどの余裕ぶり。
擬態に徹した彼女を見破れるのは、日常的にアライズ団を意識している国際警察の刑事たちぐらいのものだろう。
手にしているのは変哲のないチェーン店、安物のハンバーガー。
しかしグルメを気取らない英玲奈にとってはそれなりに悪くない味。時たま食べたくなるものだ。
ゆっくりと咀嚼しつつ、三口目で小さく眉をひそめる。
英玲奈「む…」
小さく呟き、バンズをめくってケチャップにまみれたピクルスを取り除いた。
嫌いと言うほどではないが、食べる意味も見出せず。
容姿は麗人、ながらに味覚は貧相気味だ。
…と、脇に退けたピクルスを長い指がつまむ。
そのままひょいと持ち上げ、口元へ運んで放り込んだ。
英玲奈が顔を上げると、テーブルの向かいにやたら高級な服に身を纏った女が腰を下ろしている。
ピクルスを噛み、英玲奈のシェイクを勝手に一口吸い上げて片手をひらひら。
あんじゅ「はぁい、久しぶり〜」
英玲奈「ああ。相変わらず服の趣味が悪いな」
あんじゅ「そっけないわねぇ」
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