602:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 08:54:08.28 ID:ha7ZcpN9o
ツバサがもう一度首を竦め、それでアンケートは終わり。
何が起こるわけでもない。とんだ茶番だ。
ただ、少しベテランの興が削がれた。
新人を殴りつけるのをやめ、男はタバコを吸うために部屋の片隅の灰皿へと向かう。
本当は灰皿の持ち込みは禁止なのだが、平然とルール違反をしている。
この刑務所で所長の次に権力があるのは彼なのだ。
「さて…」と所長は、床に落ちた電流スイッチを拾おうと腰を曲げる。
場の空気が冷めてしまった。もう一度身悶えするツバサの姿に興奮を得ようと…
ツバサ「うげっ」
三人の刑務官たちのうちで唯一、新人だけがその場面を目にしていた。
ツバサが口を大きく開け、上体を小刻みに揺すり、胃の蠕動運動を故意に起こし…
コツン。口から床へと落ちたのは球体。
新人はその光景を理解できず、ただ小声でその光景を口に呟いている。
「モンスターボールが、口から…」
ツバサ「芸は身を助く。人間ポンプってやつね」
絵里との交戦より数日前、そのボールは既にツバサの手元へと送られてきていた。
通常の規格よりも遥かに小さな特注品、あんじゅがジョウトで入手したボングリ製のボール。
レントゲン検査に掛からないよう施されたコーティングはミカボシ山、英玲奈が収集したX線に写らない特殊鉱石。
そしてツバサを囲む特殊監獄も、“ここまで”の戦力は想定していない。
ツバサ「出てきなさい、ミュウツークローン」
蹂躙の時が始まる。
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