784:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 18:19:57.86 ID:ha7ZcpN9o
目に怒気を燃やし、激昂に叫ぶ。
しかし梨子は退かない。もう三歩、曜へと歩み寄っている。
伸ばせば届く位置だ。曜は手を、梨子の肩を掴んでいる。
力は万力のように強い。
それでも怯まず、梨子はマリンブルーの瞳を覗き込み…
梨子「教えてあげる、曜ちゃん。友達ってね…嫉妬してもいいんだよ」
曜「……何を、っ」
ゆっくりと、誠実に語りかける。
梨子「友達に嫌いなところがあってもいい。駄目だこの子って思うとこがあってもいいの。
私は今の曜ちゃんを見て、ダメダメだな、面倒臭い子だなって思ってる」
曜「っ…!」
梨子「でも、友達だよ。大好きな友達。誰かと友達でいることに、資格なんていらないから」
梨子の口調は温雅だ。
それは曜が燃やす梨子への、そして自身への憎悪に、丹念に水を掛けていくような。
言っていることはごく当たり前。だが当たり前すぎて、超人然とした曜には、そして身近すぎる千歌にも気付けなかった、曜が理解できていないこと。
梨子「嫉妬ってね、普通の感覚なんだよ。自分より何かで上回ってる人がいれば、羨ましいな、妬ましいなって思っちゃう。私はそうだし、たくさんの人がきっとそう」
曜「私は…!私は…」
梨子「曜ちゃん、嫉妬してる自分を責めないで。
私に対して嫌いなところがある自分を責めないで。
人間だもん。合わないとこぐらい、少しはあるよ」
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