828:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:06:58.89 ID:ha7ZcpN9o
 絵里「…!」 
  
  
 下される指示、言葉通りに放たれる一斉の“かえんほうしゃ”。 
 米軍仕込み、一糸乱れぬ統制射撃! 
  
 戦術はそれだけに留まらず。 
 “ほのおのうず”で脱出を阻み、“はじけるほのお”をショットガンよろしく浴びせかけ、“ねっぷう”の風でさらに火勢を煽りつつ、そこに撃ち込むのはバクーダの“ふんか”!! 
  
  
 鞠莉「炎をチャンプめがけてshoot!超・エキサイティン!!」 
  
 ダイヤ(っ、なんという熱量…!) 
  
  
 十重二十重と重ねられた炎が炎を呼び、その爆轟は数キロ半径に余波を広げている! 
  
 長い黒髪は熱波に靡き、燻る火の粉が鼻先を焦がす。 
 それでもダイヤは顔を覆わず、戦況を正視し続けている。この戦いに隙を見せていい瞬間など、一瞬たりと存在しない。  
  
 もちろんその攻勢はポケモンの技だけではない。 
 上から被せるように大量の銃弾も放たれていて、炎禍の只中はまさに滅殺空間。 
  
 過剰なまでに積算された火力は競技バトルの域を遥かに超えている。 
 爆発の中心温度は数千度に達していて、圧倒的な熱量に上昇気流が発生、小規模ではあるがキノコ雲までを生じさせている。 
 それはもはやミニサイズの燃料気化爆弾。堅牢な要塞をも熱壊させるだろう炎幕を生身のチャンピオンへと浴びせ、果たして絵里は生きているのだろうか? 
  
 無言の中、炎煙は未だ黒渦を巻き… 
 鞠莉はダイヤへと顔を向ける。 
  
  
 鞠莉「ダイヤ、慌てないの?大好きなチャンプが死んじゃったかもしれないのよ?」 
  
 ダイヤ「ふふ、鞠莉さんこそ。無線機を握る指先が真っ白。力を込めすぎですわ」 
  
 鞠莉「やったか?…って、そう言いたくなる場面だもの。だけど…」 
  
 ダイヤ「ええ、貴女も、兵士の皆さんも、誰一人として“やった”とは思っていない。何故なら相手は…チャンピオンですもの」 
  
  
 絵里「そう。この程度で私は倒せない」  
  
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