854:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 20:24:31.44 ID:ha7ZcpN9o
コキュートスめいた零度下、アラスカを思わせる氷気の中を鞠莉は駆け抜ける。
乗馬は強度の全身運動だ。それも全力疾走、鞍が付いているわけではないギャロップの上。
腕に足に、身体中を使って振り落とされないように必死にしがみつく鞠莉だが、疲労は徐々に蓄積されていく。
そして密着に伝わってくるのはギャロップの鼓動。時間ごとに荒さを増していっていて、負担を掛けてしまっているのは明らか。
このままではジリ貧、鞠莉は攻勢の算段を素早く立てていく。
鞠莉(二体を同時指揮、やってみる?マルチタスクは苦手じゃないけど…No、不慣れなことをすれば綻びを招くだけ)
絵里(パルシェンには無闇に撃たせているわけではない。氷塊で追い立て、籠を形成させている。逃げ続けるなら次で詰みよ)
鞠莉「けど、決めた順に出すだけなら私にもできる!Go!アシレーヌ!」
絵里「来るのね…なら迎え撃つまで」
鞠莉「“ムーンフォース”!!」
ギャロップが駆ける走行進路とはずらした位置へ、鞠莉はアシレーヌを投じている。
出現と同時、問答無用で命じたのはフェアリータイプの“ムーンフォース”。
朧と放たれた光を横目に、絵里は相手の手を読み解くべく思考を巡らせる。
絵里(走行ルートとは離れた位置への投擲、私の意識を逆方向へと逸らそうとしている。要は捨て駒、ドライな手も使うのね)
鞠莉(Sorry.アシレーヌ…!今だけは許して!)
絵里(私は並行して、ダイヤを抑えているフリージオにも指示を出している。三方向を見るのは流石に厄介…かといって放置はできない)
鞠莉(処理するかしないか、こちらからチョイスを強制させる!)
絵里「……パルシェン、アシレーヌに“ロックブラスト”」
『パァル!!』
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