929:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:18:20.74 ID:ha7ZcpN9o
対し…迫る死爪を目前に、千歌は自身の未熟を実感している。
(超えなきゃいけない壁がいっぱいだな)、と。
曜ちゃんや梨子ちゃんだけじゃない、志満ねえと美渡ねえのポケモンだって上手に育てられてる。
鹿角聖良、この子もすごく強い。
旅館の居間でおじいさんたちがやってる将棋みたいに、順々に綺麗に攻撃を組み立ててる。
悪だけど…凛としてて、見惚れるぐらいに。
千歌(私、まだまだだ。だから…こんなところで死ねないよ)
開くボールは一体、まずはそれで十分。
千歌「力を貸してね…。メガシンカ!!!」
聖良「来ましたね、メガシンカ。ですが…既に詰んでいる!」
開封と共に、溢れる激しい光。
千歌のトレーナーとしての勝ちたい気持ち、優しさと、愛情とプライドと憧憬と、その他数えきれないほどの諸々を併せて、それは魂!
千歌の魂とメガリング、そしてポケモンに持たせたメガストーンが共鳴を!
現れたのは“おやこポケモン”ガルーラ…
否、腹部の袋に子ガルーラはいない。袋で育てられてきた子供は力を注がれて逞しく、親子二匹が並び立つその姿こそがメガガルーラ!!
千歌「“ねこだまし”だぁっ!!!」
『ガルァッ!!!』
『がるぁっ!』
聖良「なっ、まさか…!」
バチン!!!
面前で叩き合わされたガルーラの両手はマニューラを驚かせて動きを止め、寸分違わず、子ガルーラもまたその動きを再現している。
子供は真似る、指示は一つで十分。聖良の算段は崩れ…
マニューラたちの動きが止まっている、そこは千歌の完全なる攻撃圏!
千歌「もう一匹…ベロベルト!“ジャイロボール!!!」
『ベロオオオ!!!!』
猛回転、からの全力、全体重での体当たり!!
回転エネルギーに体は鋼の硬質を得て、マニューラの華奢な体に砲弾めいたその威力はあまりにも覿面!
『マニュアアアッ!!??』
聖良「……!!」
千歌「あと…半分っ!!」
千歌と聖良、残りは共に三体ずつ。
ルビィと理亞の運命をも伴い、全霊の戦いは死脈を踏み、詰めの局面へと移行していく。
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