961:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:36:26.48 ID:ha7ZcpN9o
いたわしげに、ルビィは千歌の腹に手を当てている。
鞄から取り出した布切れで千歌の足をぐるぐると巻いてきつく締め、さっき撃たれた傷にも気休め程度の止血を。手先だけは昔からそこそこ器用だ。
そんな二人の隣、理亞は動揺も露わに膝と声を震わせている。
理亞「あれは、あれは本当にダメなの…!」
ルビィ「し、知ってるの…?」
理亞「……前に、団で聞かされた」
理亞は、既に千歌たちへの敵意を失している。
今の聖良はそれほどに危険な状態なのだ。
「ウツロイドを使うときは気を付けろ。奴の声には、決して耳を貸すな」
英玲奈から、聖良がそう言い聞かされていたのを思い出している。
アライズ団はUBを戦力として利用するだけでなく、様々な転用方法を探して研究を行っていた。
とりわけ洗脳薬を培養できるウツロイドについては研究が深められている。
このウツロイドという生物、アローラ地方の騒乱で既に、人への寄生とそれに伴う体の変異が確認されている。
一般には公になっていない事実なのだが、アライズ団は警察のデータベースから情報を掠め取ったのだ。
理亞「なのに、姉さま、どうして…知ってるはずなのに…」
千歌「寄生されると、どうなるの?」
理亞「…心を食われる。長時間あのままでいたら、姉さまの人格が消えて…!」
ルビィ「そ、そんなぁ…」
千歌「っ…」
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