968:名無しNIPPER[sage saga]
2017/03/25(土) 21:43:26.45 ID:ha7ZcpN9o
ウツロイドと聖良の一体化は既にほぼ完了している。
そんなところへの千歌の突入。腹の中へと異物が飛び込んできたような膨張感、未知の息苦しさを覚えている。
深層へと取り込まれていた意識が、強制的に表へと引き出され…
視界が自分のものへと戻って、目の前に揺れる、みかん色の短い前髪。
液状化したウツロイドの体内、高海千歌はまるで海中を泳ぐかのように息を止め、頬を膨らませ、聖良の頬をぺしぺしと叩いてきている。目が合い…
聖良(何を、しているのですか)
千歌(あっ!目が覚めた!?)
聖良(あなた…正気ですか?ウツロイドの体内に飛び込むだなんて)
千歌(それ、こっちのセリフだよ!)
聖良の(……我ながら、愚行でした。ウツロイドに付け入られて…)
千歌(……あれ、声を出せないのになんで通じるんだろ?)
聖良(心の声が聞こえるということは、あなたも取り込まれ始めているということ。
……あなたは勝者なのだから、早く逃げてください)
千歌(一緒に戻ろう。理亞ちゃんが泣いてるよ)
ウツロイドの精神干渉波、その只中に二人が潜れば、転じて意識を共鳴される触媒と化す。
千歌には聖良の、聖良には千歌の意識が、思考が、記憶が流れ込んでくる。
千歌(……辛い思い、してきたんだね。私、やっぱりあなたを助けたい!!)
千歌の手が招くように泳ぎ、聖良が手を伸ばせばすぐに掴める位置。
だが…聖良はかぶりを振る。
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