過去ログ - 勇者「魔王城がなんかおかしい」
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1: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 18:54:06.03 ID:vZPncf+A0
戦士「ついに魔王城に着いたな」

魔法使い「いよいよね」

僧侶「神は私たちを見捨てはしませんでした」

戦士「当たり前だ。我々には使命があるのだからな」

勇者「ああ……」

戦士「だが、この先は魔王をはじめとして、これまでよりはるかに強い魔物が沢山いるだろう。気を引き締めて行こう」

魔法使い「ここまで来て色々考えても仕方ないわ。前進あるのみでしょ」

僧侶「私たちには神の祝福がありますよ」

戦士「神様もそうだが、我々は4人で魔物と戦うのではない」

戦士「魔物に居住地を奪われた村に住む人々の子孫、魔物との戦いで両親を亡くした者の子孫、魔物に連れ去られた王族の子孫……。我々はそういう人々の思いとともに戦うのだ」

魔法使い「ここが終着点であってはならないわ。ここから私たちの未来が始まるのよ」

僧侶「勇者さん、行きましょう!」

勇者「ああ。だが……」

勇者「魔王城がなんかおかしい」

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2: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 18:56:32.68 ID:vZPncf+A0
僧侶「……やっぱり変ですよね」

戦士「やはりその話題は避けられぬか」

魔法使い「城の周りを一周したけど、やっぱりおかしいわよね」
以下略



3: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 18:58:08.85 ID:vZPncf+A0
戦士「いや待て、魔法や結界などだと少々厄介だぞ」

魔法使い「不思議なことに、この建物からは魔力を感じないわ」

戦士「それなら問題ないがな」
以下略



4: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 18:59:42.10 ID:vZPncf+A0
僧侶「あっ!!」

勇者「どうした僧侶」

僧侶「あそこです! 硝子風の壁をすり抜けて、中から魔物が出てきました!」
以下略



5: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:01:31.74 ID:vZPncf+A0
−−−−−−−

勇者「あの場所で魔物が硝子風の壁に近づくと、音もなく壁が開き、出入りができる」

勇者「……俺の目に狂いがなければ、そういうことだよな?」
以下略



6: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:03:33.39 ID:vZPncf+A0
僧侶「だったら戦士さんが先に行けばよかったじゃないですか」

魔法使い「さっきは真っ先に突っ込もうとしたくせに」

戦士「いや、さっきの激突の痛みがまだ癒えてなくてな……」
以下略



7: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:04:34.57 ID:vZPncf+A0
〜〜魔王城1F エントランスホール〜〜

ワイワイガヤガヤ

「私どもの改良したこの種には特殊な結界が施してあり、飛行高度から種を蒔いても確実に発芽します」
以下略



8: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:06:15.17 ID:vZPncf+A0
勇者「な、何だここは?」

戦士「5階まではあろうかという吹き抜け…」

僧侶「小さく仕切られたブースで和やかに商談する多くの種族……」
以下略



9: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:08:34.91 ID:vZPncf+A0
受付嬢「いらっしゃいませ。本日はどういったご用件でしょうか?」

戦士「あ、すいません。私ども勇者一行と申しますが、魔王様は本日いらっしゃいますでしょうか?」

受付嬢「魔王ですね?本日は何時のアポイントでしょうか?」
以下略



10: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:10:08.35 ID:vZPncf+A0
戦士「何って、お客様を訪ねるときは礼儀を尽くすのが作法というものではないか」

勇者「雰囲気に飲まれるなと言ったのはどこの誰だよ!」

勇者「俺たちはお得意先を訪問しに来たんじゃないだろ!」
以下略



11: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:11:45.03 ID:vZPncf+A0
??「何を騒いでいるのですか貴方たち! 他のお客様にご迷惑でしょう!」

受付嬢「も、申し訳ありません側近様! この方々が魔王様に会わせろと大きな声を……」

戦士「『方々』!? 複数形は心外であるぞ」
以下略



12: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:14:10.86 ID:vZPncf+A0
〜〜魔王城45F 魔王執務室前〜〜

側近「魔王様は午前中は会見の準備、午後は定例記者会見を行う予定です」

側近「基本的に空き時間はありませんが、記者会見が終われば、一時的に休憩されることはあります」
以下略



13: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:15:26.62 ID:vZPncf+A0
側近「魔王様は多忙で、多くの来訪者の面会要請を断っています。本来、如何なる理由があろうと特別扱いはできないのですよ」

勇者「勇者が来たんだぞ。ただの来訪者とは違うだろ?」

側近「…ええ、魔王様はあなた方をただの来訪者とは違うとおっしゃるでしょう」
以下略



14: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:16:50.42 ID:vZPncf+A0
−−−−−−−

勇者「なあ、まだか?」

戦士「少しは大人しく待たぬか。落ち着きのない奴だ」
以下略



15: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:18:15.27 ID:vZPncf+A0
ギイッ

??「……」スタスタスタ…

勇者「あっ……、おい」
以下略



16: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:20:16.97 ID:vZPncf+A0
勇者「その記者会見?とやらが始まるまででいいんだ。何とか頼む」

側近「今日の定例記者会見は重要なものなのです。決して汚してはなりません!」

勇者「くっ……!」
以下略



17: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:21:37.26 ID:vZPncf+A0
僧侶「確かに、この城自体も不思議の塊ですしね」

魔法使い「それだけじゃないわ」

魔法使い「ここ20年以上、魔界から王国への侵攻はぱったりと止んでいるわ」
以下略



18: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:23:48.75 ID:vZPncf+A0
〜〜魔王城10F バンケットホール〜〜

魔王「……まとめると、今週の魔王府の活動結果は、継続事業として種族間交流促進事業1件、魔族飛行ルート制定の啓発事業1件」

魔王「新規事業として次世代魔法の研究開発促進事業1件、老朽化した街道の保守事業1件」
以下略



19: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:25:20.41 ID:vZPncf+A0
魔王「……フッ」

「何がおかしい!」

「笑ってる場合か!」
以下略



20:名無しNIPPER[sage]
2017/03/26(日) 19:26:29.89 ID:Acy2+YUI0
魔王がちゃんと王様してる


21: ◆7Zp87oOK/2[saga]
2017/03/26(日) 19:27:50.19 ID:vZPncf+A0
魔王「いわゆる便宜供与と呼ばれるものが行われたのは今から25年ほど前、我が魔王に就任して5年ほど経った頃であった」

魔王「当時の魔界は、各々の種族が他の種族と共存することなく自給自足の生活を行っていた」

魔王「自給自足の生活を行う中で、種族間の数千年に及ぶ抗争は絶えず、また別の種族は人間界に新天地を求め、王国と無秩序な紛争に邁進していた」
以下略



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