過去ログ - 勇者「救いたければ手を汚せ」その1
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185:名無しNIPPER[saga]
2017/03/30(木) 09:57:13.94 ID:M0/G2vedO
盗賊「俺を逃がした奴はしきりに言ってたよ。いつか同胞達の仇を討ってくれ、南部を取り戻せってな」
盗賊「その日から、俺は一人だった。南部のとある街で、たった一人で生きていくことになったんだ」
大尉「(……嘘を言っているわけでは、なさそうだな)」
盗賊「あったのは孤独と不安。部族への愛なんてどこにもない、頼れる奴もいない。ただ、腹は減る」
盗賊「最初はゴミを漁ってたけど、それだけじゃ足りなかった。だから、盗みを始めたんだ」
盗賊「この一歩踏み出してからは真っ逆さまだ。盗んで、逃げて……」
大尉「…………」
盗賊「一番つらいのは夜だった」
盗賊「いつ寝首を掻かれるか分からないって恐怖だけが頭を支配していくんだ」
盗賊「……ある夜、大柄な男に襲われた。とても敵いそうになくて諦めたよ」
盗賊「でも、俺は生きてた。男の首は捻り切れてて、頭は俺の手に握られてた」
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