3:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 23:20:09.59 ID:YshUHtoF0
「なんでないんですか。天気予報、降るっていってましたよ」
大方、みていないのだろうと思っての発言だったけど。
「50%やんか! 普通ふらんやろ!?」
みていて、これらしい。今までの自業自得とは違うパターンだ。
あとどれくらい種類が増えるのだろう、少し気になる。
手帳にメモでもつけてみようか。
「いや、大抵の人は傘を持ち歩く確率だと思いますけど……」
「志保だって持ってないやん! 人のこと言えへ——」
無言でカバンから折りたたみ傘を取り出す。
カエルみたいな呻き声が聞こえた。なんて声だしてるんですか。
赤信号が青に変わり、だっと奈緒さんが駆け出した。
向かいにあったパン屋のサンシェードに潜り込み「裏切り者ォ!」なんて声を上げている。
人がいないからいいけど、完全に不審者で営業妨害だ。
私は折りたたみ傘——黒猫のイラストが入っていてお気に入りだ——を開いて、のんびり横断歩道を渡る。
雨は少し強くなっていた。仮に傘をささず事務所まで走ったら、ビショ濡れになるのは間違いない。
くわえてこの寒さだ、風邪を引くこと請け合いだろう。
奈緒さんと向き合う。
お互い、サンシェードと傘で雨を凌いでいる。
違うのは一つ。そのまま移動できるかどうか。
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