4:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 23:22:08.57 ID:YshUHtoF0
「それじゃ奈緒さん、おつかれさまでした。
明日は朝に現地集合なので、遅刻しないようにお願いしますね」
「こら、見捨てていくんか!」
「えっ、だって、傘は一つしかないから……」
「なにをほんまにきょとんとした顔しとんねん、この薄情もん!
コンビニで傘買うてくるとかそういう配慮はないのんですか!?」
「だって奈緒さん、さっきコンビニで財布に70円しか入ってないって、
ジュースすら諦めて私に飴をたかったじゃないですか……」
「せ、せやけども……! そ、そうや、志保のお財布にはまだたーんと残っているはずやろ!」
「まぁ、十七歳にもなって70円しか持ってない人よりは……」
ばちん、と手と手を合わせて、拝むように奈緒さんが言う。
「貸して!」
「中学生にお金を借りようとする十七歳……」
「めっちゃ哀れみのこもった冷たい視線をありがとう!
でもアイドルたるもの体調管理は気をつけんとな!」
「その心意気があるなら、折りたたみ傘を持ち歩いて欲しいんですが……」
「ド正論まいどおおきに!」
はぁ、とため息をつく。
別に貸すのはやぶさかではない。
うっかり忘れてしまうことはありそうだけど、踏み倒したりする人ではないし。
ただ……。
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