過去ログ - 奈緒「志保、傘があらへん」
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5:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 23:23:49.83 ID:YshUHtoF0
「コンビニの傘、高いですよ」

「え、いくらやっけ」

「五百円くらいだと思いますけど」

「はぁ! ただのビニ傘で!? ダイソーいけば百円やろ!?」

 その百円すら持っていない人の言葉ではない気もする。

「どうします? 貸してもいいし、買ってきてあげてもいいですけど」

「あかん、悩む……! 差額でたこ焼き食えるやん……!」


 頭を抱えて、わなわな震えている。
 私もコンビニで傘を買うのはちょっといやなので気持ちはわかるけど、
 リアクションの大きさに思わず笑いが零れそうになる。
 目聡く察した奈緒さんが、きっと顔を上げた。


「人の窮地をなにわろとんねん!」

「いや、窮地というよりは、ただ奈緒さんで笑ってるので」

「もっとひどいやつや! 私は志保をそんな子に育てた覚えはありません!」

「育てられた覚えがないんですが……」


 ともかく、地団駄まで踏みそうな勢いなので、そろそろからかうのはやめにしてあげよう。
 奈緒さんより引き際はわかっているつもりだし。


「ここで待っててくださいよ。事務所まで傘取りに行ってあげますから」

 置き傘がいくつかあったはずだ。妥当な落としどころだろう。奈緒さんも顔を上げ、ぱっと輝かせる。

「え、ほんま? 志保、実は天使やった?」

「育てた子が天使とか忙しい設定ですね……」

「言ってなかったけど実は私も天使やから……」

「雨が降る日に傘を忘れて財布には70円とラーメンの割引券のみ、挙げ句の果てに年下に500円借りるか頭を抱えて悩む天使って……」

「天使にだって生活はありますぅ!」

 唇を尖らせる。
 天使はともかく、そこをアイドルに変えても人によっては幻滅されてしまいそうだけど。
 まぁ、奈緒さんの愛嬌に引かれたファンなら問題ないか。


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