8:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 23:28:46.61 ID:YshUHtoF0
「わかりましたよ。ほら、もっと寄ってください」
「お、話がわかるぅー。なんやかんやいっても、志保も温もりを求めて……ちべたっ。雨粒落ちてきてるからっ!」
「折りたたみ傘だから仕方ないんですよ。持ち主は私なんだから奈緒さんが我慢してください」
「そやけど、先輩への敬意ってもんがたりんな?」
「けいい……?」
「持ってるわけないじゃないですかみたいな顔やめーや」
「ふふ、冗談ですよ」
「いや、そうはいうても持ってはいないんやろ」
「……それとこれとは話が別なので」
「このぉ!」
ばかなやり取りをしながら、雨の道を歩く。
事務所までの道程は全然進まなくて、
肩と肩が何度もぶつかって、
走る車があげる水しぶきに何度も怯えて、
暗くなった空と更に冷え込む空気から逃げるように事務所へ急いだ。
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