9:名無しNIPPER[saga]
2017/03/27(月) 23:29:38.56 ID:YshUHtoF0
やがて事務所に着く頃にはお互いの肩はもちろん、
髪の毛まですっかり濡れていた。
奈緒さんがひどいくしゃみをしたものだからプロデューサーが大慌てでバスタオルを持ってきた。
それを眺めて苦笑いしていると、私も盛大なくしゃみをしてしまい、奈緒さんに笑われた。
「まったく、誰のせいだと思っているんですか」
「うーん……傘が小さかったせいやね? 次はもっと大きい傘でよろしく!」
バスタオルを頭から被った奈緒さんがそんな風にうそぶく。
傘についた水滴をすべて顔に飛ばしてやりたかったけれど、さすがに自重した。
「……次は傘を持ってくるか財布にお金を入れておいてくださいね」
私の言葉に、奈緒さんがにっと口角を挙げる。
「また相合い傘したいからやめとくわ」
傘を開いて奈緒さんに向けるところまでいった。「持ってくる、持ってくるから!」と言質を取れたのでよしとする。
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